いろいろ読書。

読んだ本の感想を書いていきます。更新ペースはゆっくりかも…マイペースに頑張ります!

天使の囀りを読んで-No.1

こんにちは。

今回は貴志祐介さんの「天使の囀り」を読んだので、その感想を書きます。

私が初めて読んだ貴志祐介さんの作品は「新世界より」なのですが、その時の衝撃は今でも忘れられないくらい強く印象に残っています。

ただ、「天使の囀り」は「新世界より」とは異なる怖さがあり、とても面白かったです。

角川ホラー文庫から出版されていることもあって、ホラーなのは明白なのですが、私が予想していた恐怖の種類とは異なった感じでした...

なんて言えば良いのか、ぞわぞわする感じや鳥肌が立つ感じですかね。

怖いよりも気持ち悪いの方が近いかなーって気がします。

 

それでは、読んだ感想を書いていきます!

 

この物語では、2人の視点から語られています。1人目は主人公の女性で、精神科医。2人目は自称フリーライターの青年。

 

まずは、主人公の女性。早苗さんの方。

この人が連続して起こる奇怪な自殺の原因を明らかにしていきます。

そのため序盤には原因が分からないことに対する怖さもあったんですが、なんといっても中盤で原因がと分かった時の衝撃の方が凄かったです。

まさに主人公の女性が感じていることをそのまま私も体感している感じです。身近にいて、あり得そうだなと思ってしまうからこそ自分の事のように考えてしまいますし、虫に体を支配されるって想像しただけで気持ち悪いですよね。

そして、その感染者の末路の描写が細かくて、想像したくなくても想像できてしまうくらいです。

 

次は青年。信一くん。

普通にいそうな青年が、少しずつ侵されていく感じが辛いですね。

彼はそんなこと気づいてないし、むしろ楽しそうではあるんですが、その行動の異常さと原因を知っているが故の辛さがありました...

 

そして最初は全く関係がなかった2人が最後に合うんですけど、この時にはもう手遅れで、殺してあげるしかないんですよね。

 

まとめると、早苗さん視点の時はすごい感情移入して読めるんです。一方で、信一くんの時は客観的に第3者として読むのでまた違う面白さがあります。

そして何よりもこれだけの人が死んでいて、これだけの恐怖を与える物語なのに悪意を持って行動した生物が存在しないということが不思議でした。生物の世界は奥が深いですね。